Sumidagawa / Curlew River

2010年5月27日

UBCのFrederic Wood Theatreに、Benjamin Britten作曲のオペラ「Curlew River」を観に行って来ました(詳細はコチラ)。
Brittenが1956年に日本を訪れた際に鑑賞して感銘を受けた、能楽作品「隅田川」をベースにした作品です。

今月のThe Bulletinで読み、ちょっとおもしろそうだなあ、と思っていたら、ダーが
「舞台のリハーサルの写真を撮ることになった」
とのこと。
ダーの同僚がCity Opera Vancouverのダイレクターで、撮影を頼まれたのだそうです。
というわけで、本番の方に夫婦でご招待してもらえることになり、ラッキーなわたし。

作品は二部構成になっていて、第一部はダンサーで振付師のDenise Fujiwaraが踊る、「隅田川」の「舞踏」バージョン。
Denise Fujiwaraという人は、コンテンポラリー・ダンスや舞踏ではとても有名な人だそうで、カナダの日系3世。
ちなみに「舞踏(Butoh)」とは、欧米では日本の代表的な現代芸術として認知されているダンスで、日本では逆にあまり浸透していないのだそうです。
わたしもてっきり、こちらの人が言う「Butoh」とは、コンテンポラリー・ダンスなんだと思っていました。

ここに住んでいると、この「Butoh」と言い、「Reiki(レイキ・ヒーリング)」と言い、日本が発祥なのに海外の方がポピュラーなものがたくさんあるのだなあ、と思ったりします。

本番はもちろん写真撮影禁止なので、写真は全部ダーがリハーサルのときに撮ったもの。

左から二人目の、頭に飾りのようなものをのせているのが、そのDenise Fujiwaraさん。
本番ではないので白塗りしていませんが、白塗りで息子を失った狂女を踊った彼女は何か鬼気迫るものがあり、しかもあまりにも前衛的(?)すぎて、正直なところ感動したというよりは、ちょっと怖かったです・・・



第二部がダンスではなく、オペラの「Curlew River」になります。
真ん中の腕を広げているのが、悲しみにくれる狂女(Madwoman)役の男性。


(photographed by Eric Flexyourhead)







わたしは能もちゃんと観たことがないし、こういうコンテンポラリーなオペラもほとんど観たことがなかったので、実際どんな感じなのだろうなあ、と思っていたのだけれど、予想以上に良かったと思います。
かなり好みが分かれそうなところですが、音楽も生演奏、あとはプロジェクターを使って言葉や映像が舞台に浮かび上がるビデオ・アート風なものを取れ入れていたのが、とても印象的でした。
特に、狂女が息子の墓の前で祈っていると亡霊となった息子の声が聞こえてくる、というクライマックス・シーンは感動しました。
悲劇の「隅田川」と違い、こちらの「Curlew River」の方が、ちょっと癒される感じで終わります。

ところで、これがそのUBCの劇場の看板。
あいかわらずしとしとと雨が降り、もうすぐ6月だというのに寒かった。



舞台が終わった後、楽屋のあるところまで連れて行ってもらいました。
狂女役の男性はメイクを落とすと、オシャレなメガネの良く似合う、爽やか・イケメンでびっくりしました(笑)
ぜひともDenise Fujiwaraさんをひと目見たかったのだけれど、残念ながらお会いできませんでした。
ダーはリハーサルのときに挨拶をしたそうで
「ものすごくパワフルな感じの人」
と言っていました。

こちらがパンフレット。
Photographerのところに、ちゃんとダーの名前が入っていました。
こういう依頼はどんどん引き受けてもらって、またタダで何か観に行きたいわたしです(笑)

6 コメント:

pocoapoco さんのコメント...

このごろ、芸術的日々が続いていますね~(笑)。いいことです!やっぱり何でも、ナマっていいですよね。隅田川の舞踏バージョンですか~。

日系の方が活躍していると知ると、なんだかこちらもゲンキが出ます、私も頑張ろうって(単純、笑)。どこの国でも結構ポピュラーなのでしょうが、こちらで小学生くらいの子供の習い事で、カラテが流行っているみたいです(よく見ます)。

それにしても、ダーさんの写真はスバラシイな~。そしてタダ券が手に入るなんて、お得です!!狂女役の男性、イケメンなのですか~、見てみたいわ(爆)。

Cecile さんのコメント...

ダー巨匠ですね。素晴らしい~。
なんだかブリティッシュっぽい雰囲気に見えるけれど興味深いですね。
私が生まれ育ったのは隅田川の近くだったのを思い出しました。幼い頃姉に「アンタは橋のたもとで生まれたんだよ」と言われひどくショックを受けたっけ。懐かしい~

吉谷 さんのコメント...

隅田川、ググッて勉強してきました
ですね、昔は人さらいに連れていかれるよって言ってました、そういえば、、
舞台は照度も低く、俳優さんは動かれるので撮影は技量が要りますよね
すごいなあ、、、と思います
それにしても、最後の写真、、
声優は久松保夫さんがピッタリすぎます^^; 
ララミー牧場の、、好きな声優さんだったんですけどね、、吉谷

shoot604 さんのコメント...

>pocoapocoさん
あんまり文化のない、体育会系な街・バンクーバーですが、文化系もちょっと発掘してみようと思いまして(笑)
日系の人でがんばっている人ってほんとたくさんいるんですよねー
このフジワラさんは、ダンナいわく「まったくカナダ人」だそうですが、踊りが終わって最後のお辞儀の仕方に、ものすごく「日本人」を感じました。
そうそう、狂女役の人、パンフレットの写真もイケメンですが、ナマで見るともっとタイプでした、うははは

shoot604 さんのコメント...

>Cecileさん
褒めていただいて、ダンナ喜んでおります。
ありがとうございます~
そうそうこのオペラの作者はイギリス人で、舞台の設定はイギリス東部なんですよ。
隅田川、いいですよねー
桜もきれいだし、隅田川遊覧の船とか乗ったことあります(笑)

shoot604 さんのコメント...

>吉谷さん
わたしもこのオペラを観に行く前に、ググって勉強していきました(笑)
今度はオリジナルの隅田川がぜひ観たいです。
ちょっとyoutubeなんかで観たんですが、やっぱりナマでないと・・・
久松保夫さんにララミー牧場・・・全然知らないので後ででググります!